認知症患者には余裕を持って接しましょう   

家の中に泥棒がいるんですよ。
ご飯を食べさせて頂けなくてね。
そこのお菓子を召し上がれ!(何もない宙を見据えながら)

などと言いながら、
さも、高額な小遣いを与えるというような顔をして、500円をくれます。
30数年前の祖母の、久しぶりに訪れた孫である私への言動です。

当時、認知症なんて、洒落た病名ではなく、呆け、と言われていました。
同居していた叔母も病弱で、きっと、持ちつ持たれつで暮らしてきたのでしょ
うが、悲しい状況になったものだと、同情するしか術はありませんでした。
せいぜい、度々会いに行って、500円を頂くくらいでしょうか。

身内の認知症は、なかなか受け入れることができず、対処が遅れるため、重く
なることが多いようです。

子供たちが、私の言動に対して、
  それ、何度も聞いたよ
  前から言ってるはずだよ
  大丈夫?(頭を指差して)
なんて苛立つことが多くなりました。
その裏には、ボケないでよ、しっかりしてよ、という心配とも懇願ともつかな
い思いがあることは、自身が昔、母に対して持った思いと重なり、ヒシヒシと
感じます。

介護職についていて、身内の認知症に気がつきたくない気持ちを、タビタビ感
じます。
特に、男の人の、母親に対する感情が多い気がします。

他人なら、認知症の方の同じ話も、何度でも聞けます。
無理な要求にも、まともに受け合わない気が回ります。
自分の親に言われたなら、腹の立つことでも、少し距離を置いてフィクション
にすることができます。

認知症の方への対応は、少し心の距離をとって、余裕を持って接することが大
事だと、
漫画、「ペコロスの母に会いに行く」が、映画化されるという新聞記事を目にし
て、あらためて思った事です。